経済の復習(シムシティのような仮想世界での話)

とある既存製品より優れた製品が世の中に登場した。さてどうすべきか。どうなるか。

独占禁止法の有無を考慮する。

・特許制度があれば申請を考慮する。

・認可が必要であれば申請する。

・上記やその他の法制度などは、通用する範囲がどこまでなのかを意識する必要がある。領内か国内か国際的なものか。また一部の友好国との間でのみ有効な場合もある。きちんとした条約がある場合も運用でカバーしてる場合もありそう。また物語では国境を越えて自治権のようなものを有するギルドなる便利な存在があったりする。これは現実にヨーロッパに存在したギルドとは全く違うものだと思います。また特許制度には取得した上で誰にでも無償で使っていい、とする戦略もあるし、特許を取得しないが最初に作ったのは私だと強くアピールしていく手法もある。

・今後もその製品を大量に作って売るのであれば、その生産ラインを作る。

・資金が自前で十分に用意できれば問題ないが、なければ投資を受けるなり借金するなりすることになる。

・すべての原材料の入手ルートを開拓する。今まで見向きもされなかった素材であれば、知られる前に囲い込むことになる。同業者と奪い合いになるのであれば競争に勝たなければならない。交渉も勿論あり。近場で安く高品質なものが入手できると良い。取りつくして枯渇する恐れがあるのであれば複数のルートを開拓する。遠い場合は輸送コストがかかるし、時間もかかるし、またリスクも高くなる。国外であれば政治的なリスクもある。また原材料を作る必要があるのであれば、そういった工場が必要になる。または下請けが必要になる。植林、養殖場など。物語では市場から仕入れるパターンはあまりなく、独自入手ルートまたはギルド依頼が多いかも。

・工場を建てる。工場を建てるということは、土地、建築物、機材、などに関する原材料や労働力が必要なので、そういう間接費的な経済的影響が出る。減価償却があるので初期費用だけでなく、運転資金も必要。倉庫や運送も必要。どのような土地に建てるかによってさまざまな影響がある。公害など。地上げが必要になることもある。また都市計画なども考慮される。大きな工場が建つと工業団地などができる。道や鉄道、そして駅や港ができる。電気・ガス・水道などのインフラ的なものがあれば、それが整備されることもあるだろう。沢山の人が住むので商業地区も発展する。スーパーはもちろん医療機関などもできる。警察署や消防署や役所などもできるだろう。普通は最初は小さい工場で始めるし、できれば既にある港や大通りや駅や水源が近くて、住宅地から離れた場所にする。今までなかった機材などを扱う場合は、その現物を作って見せたり詳細な設計書を用意する必要がある。ゴミ処理も最初から考えておくといい。物語ではゴミは問題視しない。長期に渡る物語など基本的にないのでサステナビリティなどの長期的な視点が不要であるし、ゴミは四次元ポケットに捨てたりあらゆるものを消化吸収するマジックアイテムがあったりするので問題ないし、プラスチックとかない。品質保証、修理、保守点検、返品、下取り、それぞれ有償と無償で考慮する。

・販売ルートを開拓する。訪問販売、行商、露天商、御用聞き、バザー、市場、卸売り、小売り、オークション、実演販売、試食、EC、DM、広告、キャッチコピー、ブランド、商標、ロゴ、ステルスマーケティング(口コミ)、イメージ戦略、サクラ、受注窓口、イベント、専門家のお墨付き、売り先のお墨付き、国のお墨付き、様々な有力者への宣伝依頼、売り込み先の関係者への宣伝依頼、高価格帯と低価格帯、ターゲッティングとバリエーション、外堀を埋める、趣味などで組織内の有力者またはその関係者と個人的な関係を持つ。物語では基本的にギルドに卸せば特に問題なく価格交渉も親切で、また在庫がありすぎて買い取れませんとか資金が用意できなくて買い取れません、という展開もあまりない。紙とインクの値段に注意が必要。

・販売する際に優先するべきことを決める。薄利多売でシェアを取るとか。生産、輸送がネックで量は増やせそうにないとか。地産地消を重視するとか。目を付けられて敵を増やさないように注意するとか。競合他社に配慮するとか。利益率を重視するとか。低価格帯では利益は取らず高価格帯から取るとか。国や何らかの組織が価格決定権などを握っているか考慮する。どこまで流出させていい品物なのか気にする。輸送費や在庫管理費やセキュリティ費や関税なども考慮する。一点物をお偉いさんに急ぎ納品する必要があるとか。場合によっては賄賂として渡すこともあるだろう。どこそこで働く人達に優先して回すつもりだとか。試験販売などするか。

・人が他人の名前と顔を覚えられる数は平均するとどれぐらいの数字になるのかはっきりしないけど、ネットで雑に検索して俺の中でまとめた感じだと 1000 人から 10000 人ぐらいらしい。なので 1000 人以下の隔離された町村を俺の中で「互いの顔と名前をすべて知り合った村社会」とする。この村社会というのは一般的に都会とは人の動きが大きく異なることに留意すること。お互いに知り合いで助け合ったり話す機会が多く、また村八分などのイジメを起こすこともある。噂などは村中に伝わりやすい。移住者を排斥することもある。団結力があり立ち退き交渉などでもまとまりやすいかもしれない。法治より人治の傾向も出るだろう。また物々交換や貸し借りなどの非貨幣経済が多く見受けられる。

・工場で働く人を集める。信頼できる優秀な人材を集められるか。同業者と奪い合いになることもあるだろう。奴隷制度がある世界であれば利用することもあるだろう。また遠くの街まで人を集めに行くこともあるだろう。即戦力ばかりを集められるわけではない。そして作業内容によっては人材育成には時間がかかる。最初は当人が数人の側近を鍛え上げる。次に各々の側近が同じことをしていくことで、ネズミ算式に人材育成していくことになる。必要なら安全第一のようなスローガンを作る。無理して作り出すのは良くないがビジョンがあれば伝える。必要なら寮や食堂なども整備する。有期雇用、無期雇用、徒弟制、などなど労働条件を色々と決める。養子にした上で一子相伝の秘伝の伝授などもあるかもしれない。必要なら制服などの支給品を用意する。物語だと自然に必要な人材が集まるが現実にはそんなことはない。人材を扱う業者と話したり、掲示板に広告を貼ったり、街中で声を出して看板を持ったり、ツテがあれば頼ったり、酒場に行ったり、色々と頑張ることになるはず。物語でそこそこあるパターンはスラムの訳あり人材が優秀とかかな。

・工場設備の稼働率、人の稼働率を考慮する。原材料の入手に季節性はないか。春にしか採取できない植物など。原材料の輸送に季節性はないか。雪で道がなくなる場合など。生産に季節性はないか。雪解け水が必要な場合など。販売先への輸送に季節性はないか。需要に季節性はないか。暑い時季にしか通常は買われないものなど。そういった事情で原材料の入手、生産、販売にタイムラグがある場合は、ラグのあるすべての材料や製品の長期保存が可能である必要がある。熟成期間のようなものがある場合は生産期間と作業期間が一致しなくなる。場合によっては 24 時間稼働などは可能か。季節性について北半球と南半球の移動で解決できないか考慮する。一部の仕事たとえば生産の仕事がほとんどない期間に他の仕事があるか、また他の仕事ができるか、他の仕事もできるようにするか。

・輸送する際に壊れやすいものであれば梱包に手間がかかる。冷凍便などもコストがかかる。

・その製品によって社会構造が変わり、既存の他の仕事で働いていた人がクビになり、こちらの職場にやって来た場合、今までの仕事の経験が活かせるのと活かせないのとでは不満の大きさが変わる。営業とか法務とか経理とか生産とか仕事内容に合わせて色々な仕事の経験者を雇う。またタイプも良く見る。職人気質、先駆者、交渉人、革命家、調和型、探究者、などなど色々なタイプがいるので適材適所する。その地域の教育水準、標準体型、健康状態、運動能力なども考慮が必要になる。

・品質が問題になることもある。まず衛生には気を使う。衛生環境が良くなければ高品質のものを作り上げるという気概が生まれないし、物理的に不可能である場合もある。汚い手で清潔な医療器具は作れない。雇用条件の改善も必要かもしれない。教育が必要になることもあるだろう。品質管理を専門に行う部課が必要になるかもしれない。また工程別に不具合がどれぐらい出るか検証し、工程を改善して行く必要もあるかもしれない。原材料の品質に問題がある場合は原材料の生産過程などにも関与する必要がある。

・部下や下請けから様々な改善案が出ることを考慮する。改善に限らず新商品や様々な商品バリエーションの提案もある。ボーナスや褒賞などについても考慮する。

・雇用関係以外にもパートナーとして提携するなど、色々な関係があることに留意する。資本提携、業務提携など。その方が雇用関係よりもより柔軟で積極的な発想をしてくれるようになるはず。相手の性格などにもよる。

・ライバルに情報が漏れないようにする。物語の世界では絶対に情報を漏らさない信頼できるいわくつきの部下をバンバン登用できるけど、現実ではそうは行かない。

・大きな工場は、工場で働く人だけでなく関係する経済圏にまで及ぶ大量の雇用を生み出すことになる。

・情報入手、広告宣伝、風説の流布、その対策、ご意見ご要望ご相談の為の情報網や窓口などを構築する。有力な宗教組織は一般的に情報の扱いに長けているので扱いに注意する。秘密結社なども同様。マスコミが存在する世界であれば活用する。

・他にも営業部、経理部、法務部、人事部、調達部など色々と間接部署が必要であれば作る。

・自分より強い存在に潰されたり、引き抜かれたりする恐れがあるのであれば、それをさせないように根回し、庇護、後ろ盾、身分保証が必要になる。また護衛も必要になる。弱くて親しい関係者の護衛も必要になる。武力、権力、経済力、がある存在に注意が必要。武力があれば殺される。権力があれば従わさせられる。経済力があれば買収されたり、不当廉売などの手法もある。また顔が広い存在であればカルテルなどで締め上げられる。不買運動もできる。当人および関係者に護衛をつけるのであれば、それもまた経済圏に含めることになる。

・その製品が登場することによって、競合する製品が売れなくなるのであれば、そちらの経済圏への考慮も必要になる。どんなヤバい奴を敵に回すかは良く考える必要がありそうだ。難しいが思い切って共同開発を持ち掛ける手もある。

・その製品が登場することによって、逆に何らかの製品・サービスの需要が伸びるのであれば、そちらの経済圏への考慮も必要になる。その製品を使用・消費することで、今までより飛躍的に性能が向上する場合など。

・その製品が登場することによって、社会に大きなインパクトを与える場合、その考慮が必要になる。たとえば自領より他所での需要が高いのであれば、他所からの干渉が強まる。自領の保護が十分でない場合は跳ね除けられなくなろう。自領より他所の方が原材料などの点で優位であるのならば、やはり干渉が強くなるだろうし、また原材料の禁輸や制限なども考えられる。軍事利用が可能なものであれば国内外の主戦派を勢いづかせることにもなるかもしれない。自領より他所を強化するものであれば攻撃されかねない。逆に自領のみを強化することになるのもパワーバランスを崩すという意味では良くないと考えることもできる。自他ともに強化することになっても戦争の激化は避けられないかもしれない。とはいえ技術の進歩は避けられないものでもある。

・製品ではなく作り上げた会社組織そのもの、取引手法などが世の中に影響を与える可能性もある。こんなに衛生面がしっかりしてるのは過剰ではないかと当初は従業員が言っていたけど、次第にそれが当たり前になってしまい元には戻れなくなった。福利厚生もしっかりしていて週休二日制だ。他の会社はそうではない。下の意見を上が誠実な態度で聞いてくれる社風。こんな会社は他にはないと従業員は驚き、家族にもそれは伝えられる。やがて当人から家族から社会にその情報は広がっていく。その結果として、社会が変化する方向に動く可能性もある。しかし楽して良い思いしやがって不公平だと攻撃されることもあるだろう。その会社が明らかにその地域などに対して貢献しているという実績などがなければ、風当たりは強くなる一方に思える。また農家や職人などから後を継がずにあの会社に入るんだって者が増え後継者問題が起きるかもしれない。そうしたら農家や職人から領主に陳情が行き、何か制限を課されたり、地域への貢献を求められるかもしれない。その場合は他所に引っ越すよと交渉することも不可能ではない。リスクやコストが大きいかもしれないが。ただし今の地球のように多国籍企業にとって都合の良い世界とは限らない。そう簡単に他所に引っ越せるのか。引っ越したとして前の領地と同じ様に圧力を掛けられないという保証はないかもしれない。引っ越す前は甘いことを言って誘って来たが、いざ引っ越したら手のひらを返す可能性もある。今と同じような人材や資源が確保できるとも限らない。会社からして見れば地元民に対して雇用を提供しているし、領地に納税もしているので間違いなく貢献しているのであるが、その恩恵に与れない人々が面白くないのは確か。そこに多少の配慮を見せるか否かは余裕がどれだけあるかにもよるのかもしれない。領主への恩(賄賂)だけで足りるかもしれない。また社会の成熟度などで周囲の反応は変わる。待遇を下げるのは難しいが最初から周囲と同程度の待遇にするという方法もある。それだと機密保持や品質であまり期待できなくなるかも。また地元ではなく他所から来たのに同程度の待遇では地元民が納得しないだろう。

・関係者の考慮は最低でも 2 段階ぐらいまでは行うと良い。当人と直につながる親しい人物を 1 段階と考えると、その親しい人物につながる親しい人物つまり 2 段階の考慮は必要。たとえば側近の家族など。所属事務所の親会社の社長など。誘拐・脅迫・懐柔などされる可能性がある。また親しくない親族などの態度が変化することもある。

需給ギャップを考慮する。供給があまりにも少ない場合、独占体制に固執すると社会全体を敵に回すことになりかねない。一刻も早い増産が必要である場合ライセンス生産などを考慮する。一過性の需要であるのか、次世代技術までのつなぎでしかないのか、継続的な需要が見込めるのか、継続的な需要が見込めるけど最初だけ需要が大きいのかなどを考慮する。一過性の需要であれば労働者を大量雇用・解雇するのは、その世界の情勢、労働法制によっては悪となる。また行列などができる恐れがある場合は予約や整理券や人員なども必要になる。原材料不足や人手不足や土地不足などで生産量が増やせない場合だけでなく、輸送網が逼迫した場合も同様。

・需要や流行やパラダイムシフトなど正確な予測は難しいだろうが、可能な範囲で社会の動きを予測する。最初はちょろちょろと売れ出して口コミで広がって行き、それが著名人のアピールによって加速し、ある種の幻想までも抱かせバブルのような需要の膨らみを見せたが、やがて落ち着いて夢から醒めて一気に需要が冷え込み、今度は思い込みのない現実的な需要により再び緩やかに持ち直して安定してくる。などのシナリオが考えられる。そして相当に普及すると社会の認識が「あると便利なもの」から「あって当たり前のもの」に変化する。そのようにして社会構造は変わっていく。それがあることが前提の社会が徐々に作られていく。もう少し細かく商品の拡散過程を書くと、最初は商品を持っている人が少数いて、それを見せたりして触れたことがある人が増えて、さらにそれ以上の早さで聞いたことだけはある人が増える。商品を持ってる人の数<商品に触れたことがある人の数<商品について聞いたことだけある人の数、という感じで増えて行き、聞いたことだけある人の数が増えるのが最も早い。そして聞いたことだけある人が飽和し始めたぐらいの頃が最もバブルが膨らんだ時と考えられる。しっかりと商品に触れてしまうと夢から醒めてしまい、それでも欲しい人は買うけど本物に幻滅した人は買わない。また一度は買って試してから幻滅する人もいる。そうして一過性の需要はなくなっていく。詳しい形、確度、数値は全く分からないが供給と宣伝で変わってくるはず。細かい話だが年単位・月単位・週単位・時間帯・休日祭日・定期イベントでの周期的な変化、何らかの特別なイベントでの変化もある。

・通商摩擦が起きた場合も友好国であれば現地生産を考慮する。国に力があり外交で乗り切れる場合は交渉も考慮する。飴と鞭を使うことになる。最強の陣営に便宜を図って取り入るのがベター。中立陣営は要相談。敵対陣営は塩対応になる。物語の登場人物は忽ち運命的な出会いを果たし凄まじい手練手管で重要人物を手籠めにしていくけど、現実ではそんな展開はまずない。

・また社会が不安定であれば生産体制を整えるどころの話ではない。いつ焼野原になるのか分からない状況で巨額の投資はしにくい。また安全保障や身元保証の土台が揺らいでいるのであれば不用意に目立つのはリスクが大きい。法律の運用が雑で賄賂まみれの人治国家であれば特許制度や独占禁止法などは有名無実になるかもしれない。また当然だが共産主義国家など政治体制によっては、この記事の内容の大部分が無意味になる可能性はある。

・当然のことだが加工貿易は運賃より大きな付加価値を生み出さないと成立しない。運賃が安くて、原材料費が安くて、高付加価値の製品が作れなくてはならない。俺が思うに一般的に物価に差があり自国より安く買える国から原材料を買う。そして運賃は相当に安くなければならない。日本では石油の利用が成立の鍵だったらしい。原材料を安く輸入するには市場原理が物を言うが、外交努力も国の序列も影響する。物語で登場する発明家は一般的に圧倒的技術で独占体制を作るので有無を言わさず加工貿易が成立するため面白みはない。ただし独占体制は対立関係を生み出すので、やっぱり物語の発明家が所属する国は軍事強国でもあったりする。

・直接的な関係はない一般論であるが、環境は経済に密接であることを意識する。寒い地域でなければ暖房は不要。ただし熱で調理する器具の需要はありえる。暑い地域でなければ冷房は不要。ただし冷蔵庫の需要はありえる。四季がなく一定かもしれない。乾季と雨季しかないかもしれない。高緯度で白夜があるかもしれないし、赤道付近で四季がないかもしれない。高高度で空気が薄いかもしれないし、海中に住んでいる人もいるかもしれない。地軸の傾きが地球と同じである必要もなく、公転周期も自転周期も同じである必要はない。またその世界の知的生命体が地球人とどれだけ同じなのかはよく考える必要がある。ファンタジー世界では物理法則すら違うのが一般的であり地動説である必要もなく、それでも妙に地球人と似た人達であることが一般的であり環境も何故か日本に酷似している。何故かというのは、別の世界が日本と同じであるはずがないという意味で何故かなのだが、日本人が書いた日本人向けの作品であれば日本人に馴染みのある環境を描くのは需給面などから考えて当然でもある。そういった環境の違いは需給は当然として生産や輸送にも影響がある。また天候・天災も影響する。魔物がいる世界では天災よりも魔物が暴れるシーンが多いのだが。そういう世界ではスタンピードと呼ばれるものも天災に入るのだろう。決済システムとして銀行のようなものが存在しているか否かは大きい。国境をまたげば通貨が異なるかもしれず両替手数料も取られることもあるだろう。また輸送システムとして自動車、飛行機、馬、巨鳥、どこでもドア、四次元ポケットなどがあるか否かも大きい。通信手段の有無も。治安の良さや関税・通行税などの有無も大きい。また国境をまたげば言語も変わるのが普通に思う、地球をベースに考えると。国境をまたがなくても言語が変わる場合も地球上では多い。また種族、人種、文明、民族、政治体制、宗教、文化なども基本的に考慮すべきことに思う。宗教的に禁忌とされることがあるので注意が必要。文化が異なれば需要も異なる。種族や人種が違えば外見や運動能力なども異なる。政治体制が違えば自国で通用する商売が他所では通用しないかもしれない。

・原材料の需要が増えるので相場は上がることになる。もしくは原材料の生産量が増えるかもしれない。そうなれば逆に下がることもあるかもしれない。

・人も必要になるので相場が上がることになる。ただし人が流入するので下がるかもしれない。人が増えるということは町が発展することになるが、それだけの人を養うにはそれだけの衣食住が必要であり、そのポテンシャルがその町に必要であり、それ以上に人を増やすとまずいことになる。食料を自給できていないのであれば他から輸送してくる必要がある。その食料の対価を製品で十分に払えないと町としては赤字になるので、市場原理的に考えるとそれ以上の粗利を製品が出していることになる。食料の一括供給・配給など自治体が何らかの関与をしている場合は、その前提が崩れることもあるかもしれない。衣服や住居などについても同様のことが言える。一般的に人が増えることで気に掛けなくてはならない町のポテンシャルは水と食料ではあるが、電気・ガス・下水など色々と必要であれば気に掛けることになる。人が増えれば衛生や治安も悪化する。人が増えればスパイも増える。失業者数には注目すべき。

・新しい商品の流れができるということは、交易が増えるということであり、そうなると賊も増えるかもしれない。輸送体制だけでなく警備体制の強化も必要になるかもしれない。また自国では取り扱わないが隣国へ抜ける通行税で潤う国もあるかもしれない。なので輸送手段にもよるが宿場町・港町なども栄えることになる。また既存の航路や陸路を使うだけでなく、逆に運河の建設や新航路の開拓や鉄道の敷設などにつながるかもしれない。ルートや交易が増えればよからぬ物が紛れ込む機会も増える。そういったものに使われるルートには下水すら含まれる。

・これらの事象を推測した上で行動する人間がいることをゲーム理論的に推測し考慮する。また当然のことながら、その上で更に推測し続ける必要がある。この辺は考え出すと投資家などの専門領域なのでかなり難しい。条約改正、法律改正、条例改正、査察、引き抜き、囲い込み、口利き、婚約、接待、ハニトラ、間諜、貸し剥がし、買い占め、地上げ、封鎖、別件逮捕、クレーマー、風説の流布、賄賂、密輸、密売、偽物、詐欺、窃盗、脅迫、誘拐、暗殺、放火、外交問題化、戦争などの直接的な関与、投資(現物、先物、オプション)の増減、利率の上下、信用の拡縮、通貨供給量の増減、などの間接的な関与、またそれらによる指数の変化があり、それに応じて更に推測して見えた、その先を見て資本を動かすのが資本経済であり俺も良く分からない。

・製品を秘匿するのであれば特に経済を考える意味はない。ただし秘匿するのであまり活かせないことになる。個人的な利用にとどまるだろう。ごく少数の信頼できる仲間でのみ秘密を共有し利用するというのもある。製品を秘匿したとしても、人や資金や原材料の不自然な流れを辿られたりしてバレることもある。製品を秘匿せずに販売する場合、その製法を秘匿する場合と公開する場合がある。製法を秘匿する場合は信頼できる人間を集めた上で厳重な管理が必要になる。どれだけ有用な製品かにもよるが。場合によっては命を狙われる覚悟も必要になるはず。製法を公開したとしても他人には作ることができないのであれば製法は狙われないかもしれないが誘拐される危険性はある。製法を公開しても原材料・機材・土地を他所では入手できないということであれば、原材料・機材・土地を狙われることになる。製法を公開しなくても製品を公開した時点で模倣が容易なものであれば、なるべく早めに売って先行逃げ切りを目指すことになると思う、できればブランド化を進めながら。また利益を得ることを目指さないのであれば、普通に製法を教えて回ったりして仲良くなる(恩を売る)というのもある。非売品としてプレミアを出して贈答品として扱っても良い。物語では主人公は仲良くなる、パートナーになるという体裁で他人に恩を売りまくって人気者になるのが定石です。そして相手は倍以上の御礼を返してくれるし、とても信頼できる仲間になります。製品ではなく製法を売るというのもある。また冒頭で述べたように特許制度があるのなら利用することもできる。ただし特許制度というのは、その効力が及ぶ範囲でしか意味がないということに留意する。また製品や製法を秘匿したとしても既に述べたように情報漏洩することがありえるし、また他所でも同じものを作るということはあり得る。技術革新は常に起こり続けるものだから。そう考えると先に公開してしまった方が得だという考えもある。

・物語では全く気にしないが可能なら終わり方まで考えておくといい。作った工場や機材はどうするのか。更地にするのか。ゴミは捨てるのか。元の環境に戻るのか。土地は売れるのか。転用できるのか。既に売って顧客に渡った製品はどうなるのか。下取りするのかゴミになるのか。顧客との関係はどうなるのか。工場を畳んだらサポートもメンテナンスも終りなのか。仕入先や販売先や運送業者との関係は切れてしまうのか。円満に関係を切れるのか。次の取引があるのか。どこかの取引先を紹介してあげられるのか。雇用した人達はどうするのか。今までとは違う仕事があるのか。次の働き先を探してあげるのか。事業から手を引いたことであまり当人自身に旨味がなくなったのであれば、本当に良好な関係になっていなければ単なる資産を持っていて秘密を共有するだけの関係になってしまっているかもしれないが、それでも力ある存在との関係は悪化することはないか。悪化しなくとも庇護などが解消されてしまうと部外者が誘拐などの野心を見せる可能性もあるので、その時には既に時代遅れの技術となっていて知識の価値は低いかもしれないし、当人自身は裏切らないだろうと思われていても、既に色々な秘密を知ってしまっているなどの理由で消すという決断に踏み切る可能性はあるかもしれない。あまり安易に消すということをすると士気の低下もあるので乱発はしないはずではあるが情勢にもよる。色々と常識が異なる社会を想定すること。

・孤島や陸の孤島と言われる場所では、域外との通商ルートが皆無で域内経済しか存在しなかったりする。域外と通商する考えがなく、域外のものを前提とした経済、文化ではなく、完全に域内で自給自足するようになる。そうなると域外と交易する為の大規模な生産など全く必要なく、域内経済の規模が小さければ工場などは必要ない。家内制手工業、問屋制家内工業、工場制手工業、工場制機械工業と段々と大規模化するが、家内制手工業で十分だろう。また貨幣経済も存在せず物々交換かもしれない。孤島というのは、そこに至る道がない、道中の気象条件が厳しい、道中に危険な生物がいる、周囲が敵だらけで交流がない、などの事情でなりうる。また外部の文明から完全に遮断された少数民族の文化水準は数万年を経ても変わらなかったりする。接触がないので言語も異なる。延々と狩猟採集の生活をしてるイメージ。そういう中で新しい製品が生まれることは基本的にないはず。ただしそれは少数民族だからでありユーラシア大陸アメリカ大陸は遮断されていたが、アメリカ大陸にも文明はあった。だけどアマゾンの少数民族は延々と狩猟採集生活だった。或る程度の規模があれば発展するのだろうし、規模が大きければ大きいほどに加速するはず。後は交流しようとする気質、個人個人の能力、発展に適した環境、文明ができてからの期間などによって大まかに経済状況は変わる。