良く知りませんがマイナンバーカードは富士通らしい

このところいくつか問題を起こしている会社ではあるらしい。何度も書いたような話ですが、システム屋がセキュリティホールを作ってしまう理由なんてのはいくつもあるんですけど。いくつか書いてみます。

まずは力不足ですよ。単純に力量が足りない。稚拙な設計があったって話ですし、力不足だった可能性は否めない。排他が漏れてたとか、そういうレベルじゃないですか。でも力不足って言っても色々とあるんですよ。末端の作業員の力が不足しているのか。それともその上で働く人達の力が不足しているのか。末端の作業員がミスしても、監督者がそれを発見すれば問題は起きないわけでさ。

それと士気の低下です。やる気がない人達です。そういった人達は最小限の働きしかしません。実際には問題を起こしてるので、最小限の働きもできてないんですけど。排他処理の漏れなんかは、最小限の働きができてなくても表出せずに隠せるんですよ。色々と細かい条件を整えてテストしないと表出しない。手を抜くと開発時に検出できない典型的なバグです。

金の話も当然あります。これは総務省がちゃんと金を払っていない可能性もありますし、一次受けの富士通がマージンを抜き取って、二次受けに安く投げてる可能性もありますし、当然、三次受け、四次受け、って人達が安く扱き使われてる可能性もあるわけですよ。安く扱き使われた人達はやる気が出ません。当然ですが。

構造的な問題もあるでしょう。一次受け、二次受け、三次受け、って多重下請け構造は当然のように責任の所在を曖昧にします。指示系統も滅茶苦茶になります。法的には一次受けは二次受けのメンバーに指示は出せないんですけど、違法に指示を出す人もいますから。二次受けのメンバーは出向で一次受けの現場で働いていたりするんですけど、彼等の帰属意識は二次受けにあるのが普通なので、やる気は希薄なんですよ。金の分だけ働くって意識が強くなる傾向にあります。一次受けの社員と二次受けの社員では給料に差があるのが通常です。一次受けの社員のが多く貰ってる。二次受けの社員は一次受けの社員を心情的に許せない因子を持っているわけですよ、俺より多く金をもらってるんだからさぞかし優秀なんだろ、ちゃんと働けよって下請けの人間は考えます。そういう風に考えないと下請けは自分の身を守れないです。安く扱き使われるだけです。

コミュニケーション不足とか上意下達的な組織とか寄り合い所帯とか呉越同舟とか短期契約の繰り返しによる頻繁な人の入れ替えとか短納期とか他にも沢山の理由があるでしょうけど、あんまり書くのも面倒なのでこれぐらいで止めておきますけど。

これらの開発に失敗するって観点に加えて、更に政治的な観点もあるわけです。マイナンバーカードには。そうなると宗教組織ですとかもろもろの特定の集団。それがもろもろの組織内にできあがって、組織間でつながって、組織を跨ぐ集団となって何かをしでかす可能性があった。開発メンバーに潜んでる可能性もあり、運用メンバーに潜んでる可能性もあり、顧客に潜んでる可能性もあり、行政組織に潜んでる可能性もあり、側近にすら潜んでる可能性もあり。

何も知らない外野が好い加減なことを言ってるだけなので、見当違いなことも多々あるでしょうけど。脇が甘かったんじゃないかって気がしてしまう。守備力がさ。でも言うは易く行うは難しでしょう。富士通じゃなくてうちの会社に発注した方がいいんじゃないかって思ってしまうよ。排他処理もまともに書けない会社に行政は仕事を発注しちゃいけないでしょ。凡ミスは人である限りゼロにするのは難しいとはいえ、稚拙な設計って言葉は気になります。

政界のことなんて全く知りませんが、実際のところトップが率先して失敗させようとしていた可能性だってあるわけだ。俺はマイナンバーカードは推進した方がいいと考えてますけど、別に政治家の味方ではないんですよ。失敗したって結果を見せられると、ミスしたのか態とやったのかすら俺には分からない。なので味方にも敵にもなれない。当然ですよね。

マイナンバーカード利権がーって話もありますけど、行政の効率化も必要な話なわけですし。本当に糞どうでもいい箱物に比べたら遥かに有用な仕組みですよ。俺だって本当に役に立たない仕組みなら反対するし。俺も業界の人間なのでマイナンバーカードに関する発注が増えれば、巡り巡って俺の待遇が良くなるので利権に絡んでると言えば絡んでるんですけど。直接的にうちの会社に発注されなくても、業界全体で手の空いた人間が減ることで業界全体の待遇が底上げされるからさ。それでも役に立たない仕組みなら俺は反対しますよ。俺はいずれ必要になるだろうから賛成している。日本の国益に寄与すると考えているから賛成なんです。