仕事の進め方

テンプレみたいな考え方がありますよね。馬鹿正直というか。正攻法と言うか。教科書通りというか。それが悪いわけじゃないんですけど。部下が何かやろうって思ったら、上司に予算、納期、品質とか相談して、上司が実行するか決定して、上司の決定に従って仕事するって。当たり前っちゃ当たり前の流れなんですけど。でもさ他に仕事のやり方がないのかって言うと、そんなことはないわけです。もしこの世界にありとあらゆる仕事の進め方を知っている超人がいて、その超人が正攻法ではない方法で仕事を進めて、その超人に凡人が正攻法を説いたとしたら、それは釈迦に説法だなって思います。まあ正攻法を説くことが悪いわけではないし、正攻法自体が悪いわけではない。正攻法が良いかどうかは場合によると思います。ガイアの夜明けとかカンブリア宮殿とか見てて思うけど、正攻法じゃない仕事の進め方なんて沢山あるでしょう。全く列挙できないけど。

正攻法を説く上司ってのは正に中間管理職の鏡でさ。中間管理職ってのはそんなものなんですよ。安心安全なルートを通ろう通そうとするものなんです。大抵は。もちろん、この中間管理職が定型的なことを言うのには保身以外にも意味はあります。建前って言うのかな。建前を平気で無視するようになったら御終いってのもあって、基本に準じた動きは大事なんですよってのを言い続けるのは大事なんですよ。だから中間管理職の上司が現実を無視した無意味な正攻法を説いたとしたら、それは当たり前の現象が起きたに過ぎないので、それを鵜呑みにしてはいけないわけです。

ディープ・スキルって記事を少し見て思ったけど、この人の考え方は良い気がしますよ。「上司は保身する」正にこれ。アカギって漫画がありますけど、アカギの読み方と凡人の読み方の違いが明確に対浦部戦で描写されてて、凡人はルールベースで手を読むんですよ。理で読むんです。でもアカギは相手の心の動きを読み取ろうとするわけ。そこが大きな違いでさ。仕事の進め方も同じですよ。正攻法は正攻法で良いんです。でも正攻法はルールベースの仕事の進め方です。理です。でも実際の仕事は対人戦なんですよ。そこを読み筋に入れて仕事しないとだめなんです。このディープ・スキルって記事は正にそれを言ってるっぽいので良いのではないかと思いました。本を買うことはないですけど。

DB の最適化にルールベースとコストベースってのがあって、ルールベースってのは現実を無視して理想だけで最適化する感じで、コストベースは現実のデータをベースとした最適化を行うわけで、コストベースのが優れている訳です。仕事の進め方も同じですよ。仕事を進めるのに現実を無視した理想を説いたところで意味はないです。まず現実をちゃんと把握しないと。そして現実を見て最適解にどうやってたどり着くか良く考えることですよ。

デファクトスタンダードって言葉があるけど、これは仕事の進め方とは少し違う話かもしれませんけど、良い例じゃないですか。デファクトスタンダードってのは事実上の標準ってやつです。Google 検索すればすぐに出てきます。この分野については私達の商品を標準にしてくださいって上司に言ったわけではないわけです。でもその分野において事実上の標準となっている。仕事の進め方とは少し違いますが、似たことは言えると思います。

それ以前にそもそもの考え方が違ってたりするんですけどね。上司との対話が何よりも大事とか、上司からの評価が何よりも大事って思ってる人は、上司に報告するのを重要視しますし。顧客の笑顔が何より大事って人は時と場合によっては上司を無視してでも顧客を喜ばせようとするでしょう。そういう違いもありますよね。そういう上司のご機嫌取りが上手い奴が出世しちゃうタイプの組織だと、そういう人間だらけになって組織全体の活力が失われて腐ってくわけで、いわゆる企業病って状態になるわけですよ。そういう企業病を無くすために大事なのが社長の哲学と行動力だったりします。たとえばトップである社長が社員に顧客満足度が大事だって言うことを納得するまで伝え続けて、人事評価とかも顧客満足度を重要視しろって話にして、そうして上司のご機嫌取りが上手な膿を少しずつ出して、ちゃんと顧客のために働く社員を評価するようにして、そうして会社の業績が回復してくるって流れとかが考えられます。ちょっと関係ない話になって来たな。そういうのは稲盛哲学とか読めば良いんじゃないですか、全く知りませんけど。