良いキャッチコピーを考えるのに苦労するように

呪文の詠唱とか技の名前とか考えるのも大変だと思っていまして、つまり呪文の詠唱を小説に記載しているってことは力を入れているってことだと思っています。絶対に力を入れているとは限りませんが少なくとも力を入れている作品と判断する一助にはなると。作家はそういうのを考えるのを大変だと明言しないことも多いですが、作家ってのはそうやって内面を見せずミステリアスな雰囲気を持ってた方が良いってのもあって、実際には苦労してるんだろうなって俺は勝手に推察しています。世の中には作家がてきとーに糞便垂れ流し状態で書いてるような作品もあるでしょうし、しっかりと推敲して編集者に意見を貰って書き直して専門スタッフに校閲してもらってって力を入れてる作品もあるでしょう。昨日に書いてるつまらないと俺が思う作品は恐らく前者じゃないかなと思ってます。

でもこの作家の方も頭が悪い訳じゃないんですよ。きっちりした文章は書けてますし。ただやっぱり面白くないですね。主人公が強過ぎて。強過ぎる主人公ってのは、どうしても統治に行き着くんですかね?ネタ的にそれしかないのかな?この作品の主人公は放浪してはいるものの、やっぱり組織は作ってしまってるんですよ。ピラミッド型の。それに放浪していてもでかい拠点は持ってますし。しかもワープできるから。このワープってのも小説をつまらなくする要因なんですけど、この作品ではいち早く導入してたんで。ワープできるってことは放浪していても定住しているのとほとんど変わらないんですよね。でまあ主人公オールマイティ圧倒的最強作品の統治ってのは、完全になんちゃって統治なので糞面白くないです。本格的に描写された作品は読んでて疲れますが。

後はやっぱり嫌いなんでしょうかね俺が。圧倒的オールマイティ最強主人公ってのが。強過ぎる存在ってのは。俺は反骨的な人間なのかもしれないので。性格が良かろうが悪かろうが独断で物事を決めるってのを読ませられるのは気に食わないってのがあるかもしれません。法と民意が介在しない力による支配。圧倒的な力を持つものがいるのであれば世界に干渉しないのが望ましいって俺は思うところがあります。物語が始まった時点でほぼ俺がその作品を否定する条件が整ってるんですよ。力による支配の作品それ自体は否定しません、力による支配ってのは内外の要因で崩れることもありますから。でも主人公が強過ぎると何も起こりようがありません。

俺としては圧倒的オールマイティ最強主人公が存在してる時点で物語が完了してるようなイメージがありまして。もちろん日常風景というのは延々と存在するのでしょうけど、それは退屈な繰り返しであって価値が薄い。作者さんギャグセンスとか高いわけでもないでしょう?って思いますし。いじりは俺は笑えないからさ。しかも下世話ないじり方とか全く笑えないので。下世話ないじりなんてのは目の前で実際に対面して行うことで少しふふって笑うこともあるかもしれませんが、テレビごしに見ても笑えないレベルですよ。ましてや小説の中でまで下世話ないじりなんて描写されても価値があるとは思えません。人物描写として必要なこともあるかもって思う程度ですね。ハイセンスないじり方ってのはあると思うんですけど、この作品のいじり方にそんなハイセンスないじりは今のところないんじゃないですか。下世話なのしかないというか。あったかもしれませんけど記憶にはない。

圧倒的強者ってのは俺が思うに対等じゃないんですよ。正当防衛ってものが法律で認められていますが、圧倒的強者が攻撃されて、反撃して殺すのは俺は正当だと思えません。圧倒的って言葉がどれぐらい圧倒的なんだって正確に読み手に俺の考えが伝わらないとは思いますが。例えば俺が太陽に向けて石を投げられるとします。そして実際に投げたらそれは太陽への俺からの攻撃なので、太陽は俺を正当防衛で殺していいのですかってことになって、それは変じゃないのかって、そんな感じかな。圧倒的強者の自覚があるのかないのか良く分からない圧倒的強者主人公が、自分の強さを徹底的に秘匿した上で攻撃されるような場に身を置いて、揚げ足を取るように自分は攻撃されたって言っていじめるように敵対したものは養分だと言って小悪党の弱者を蹂躙する。そういう作品なんですよ、この作品は。

俺としてはランキング上位に入った原因は組織票が最有力だと思っていますが、次点ではサディスト系の読者による支持があるかもしれないとは思っています。主人公がとにかく圧倒的に強くて、他者を主に少女や幼女を支配下に置いて、主人公の考えが最優先だと傲慢に振舞う。そういうのが好きな人間が世の中にはいるんではないか?そう推察しました。俺はとても気色悪いと思いますが。