小説に復讐ものは沢山ありますけど

読んでていつも思うのは復讐する相手がいる奴はなんて恵まれているんだろうって思うんですよ。違法奴隷の身分に落とされて、その主人公がチート的な力を得て奴隷商人達に復讐する。一見すると痛快なストーリーなのかもですが、俺はそう思えないんですよね。そもそも違法奴隷だろうがなんだろうが不幸な人間ってのは世の中に沢山いてさ。彼等は復讐する相手もいない。そうすると世の中や権力者を恨んだりするわけですけど。でも彼等の復讐心は理解されない。だけど奴隷という身分に落とされた人間が奴隷商人に復讐することは理解が得られるんだね。君は恵まれているねって思ってしまいますよ、読んでて。そして読んでいて疲れる。結局は単なる弱肉強食じゃないかって。奴隷という身分に落ちたからと言って五体満足で生きている分際で、どうして奴隷商人を殺せる?って思ってしまいます。奴隷っていう身分に落ちて不幸を感じる人間は、それ以上の幸福な身分だったものですし。最初から奴隷以下の暮らしをしてたら、そんな風にも思えないはずでさ。最初から奴隷以下の人間の不幸は当然ですが、そういった作品では語られません。なかったことにされてしまう。だから下らないんだよなあ。