しかし面白くないな、この作品は

作者に国語力は十分にあるのは分かる。知性がある人が脳筋系の主人公を書いてるってのは伝わるんだけど。じゃないとこれぐらいの順位にはならないですよ。形が悪いのかなあ。こういう形の作品は上位から読んでたけど今まで無かったので読む意味はあるんですけど、詰まらない形なんですかね。それとも作品の問題なのか。詰まらない形でここまで面白そうに書いたからこれだけの順位、そう好意的に解釈することもできるんですが。主人公が最強で運が異常に良くてスポ根系でストイックとも言えるけど楽しむために生きている。誰にでもできることではないことを傲慢にやっていく。外道は嫌うし筋は通すが感情に左右されるし論理を軽視する。登場人物は女性だと大体が強キャラで男性だと大体が悪役か噛ませ犬で。男も女も主人公に憧れる感じ。そして俺を楽しませろ自分に傷をつけてみろって民衆を育てる。これだけで大体わかるじゃないですか。あー、そういう系かーって。何を楽しみに読んで良いのかわからなくて。一応は話が進展しそうな布石もあるんですけど。くだらない描写が多くて多くて読んでて辛い。

それとこれは俺が今まで色々と作品を読み続けた結果なのかもしれないけど、不幸キャラがその後に幸せになるみたいな展開が非常に鼻につく。この作品の鼻につき加減は特に高い気がするんだよな。色々な不幸を寄せ集めてインスタントに描写して。勧善懲悪的にいじめっ子が痛い目を見てよかったねって。俺もそう思いますけど。もう見飽きてるし、インスタントに大量にそういうエピソードを詰め込んでるのが腹立たしくて。それに主人公が関わるのもイライラする。いやまあ分かるんですよ。いじめられっ子の立ち直りと復讐ってのが良くあるスパイス的な要素だって。だからこそあまりにもスパイスとしてその要素を当たり前のようにインスタントに扱われるとイラつくんですよね。おそらく本腰を入れて描写する気もないんですよ。逆に読者が望まないのかもしれない。読者は読者で軽い感じのを望んでいるっぽいじゃないですか。作品の形的に。そういう立ち直る系の人間がすごい出て来る。主人公に助けられる形で。鼻につくんだよなあ。そんなに俺をイライラさせたいのかって思ってしまう。