NHK スペシャルの植物の

凄いな。広葉樹と落葉樹といったそれぞれが優位に立てる季節に違いがあるような植物が、互いに栄養分を融通して助け合って苦しい季節を乗り越えているとか。木々が互いに害虫の情報をコミュニケーションして、毒を生成して木々全体が一丸となって害虫に対抗しているとか。

人生というのを小説として考えると、こういった植物に関する新情報などが正に新たな情報を得る楽しみだと思うんですよ。人生ってのは小説に例えるなら短編じゃなくて長編ですよね。ある人間にフォーカスを当てた物語で。生まれてから死ぬまで。長編小説ってのはテーマ性が定まってない感じなのが多くてさ。どちらかというと人生そのものを見てるから。だから入って来る情報の変遷とか、主人公と主人公以外の存在の対比とか。ちゃんと背景も描けているのが読みたいんですよね。主人公だけが異常に特殊なタイプの話は読み飽きてるんで、世界の中で主人公だけが異常に特殊ではなく、他でもこんな事件が起きてるとか書いて欲しい。たった一、二行で良いんですよ。その背景に膨大な情報量があるとしても、行商人が持って来て世間話で喋る情報なんて一、二行程度でしょう。あっちの国で火山が噴火して沢山の人が死んだらしい。とかそんなんだけで良いんだ。その実態が火山の噴火じゃないとしても。まあ長編であっても描きたいテーマみたいなのがしっかりしてれば良いんですけど、そういうのもぼんやりしてるのが多いじゃないですか。そういう見せ場みたな核みたいなのがしっかりある作品であれば逆に余計な情報はそぎ落とした方が良いとは思うんですけど、そういうのもはっきりしないような作品であれば背景がもっと欲しい。

何度も言うけど、とにかく主人公だけが異常に特殊で異常に事件に巻き込まれて異常に成長していくような、そういう単細胞な展開は読み飽きた。それと背景の描写を主人公視点ではない描き方で描写するのは俺はなるべく避けるべきとは思いますけど。読んでてしらけるというか。使いどころに注意した方がいいのかなと思います。それぐらいは流石に俺よりずっと分かってると思いますけど。