復旧と復興

以前に株式日記で書かれていた事なんだけど。それに少し俺の考えを加えて書いてみる。「復旧」「復興」というそれぞれの言葉は、災害に見舞われた地域に対して象徴的に使われる訳だけど。意味している事は違う。復旧は以前の状態に戻すという事。復興は以前の状態に戻す訳では無くて、合ってるのか微妙だけど、要は以前の様な盛り上がりを取り戻そう、みたいな感じの意味だ。だから復興は復旧に比べると自由度が高い。それに復興の方が世間受けが良い。
復旧というのは、以前の状態に戻すという意味で少しネガティブな感じがある。過去を見過ぎで未来を見ていないと。だけど生存者にとっては、それが最適なのかも知れない。生存者の幸せを考えると復旧が何よりなのかも知れない。それに過去の完全な復元というのは、高コストってのがパっと考えただけで分かる。費用対効果が悪い。そんな感じなのが復旧だ。
復興というのは、以前の状態は気にせずに新しい物を加えながら兎に角盛り上げようみたいな感じで、非常にポジティブな感じだ。費用対効果も高い筈だ。なんだけれども復興復興という言葉を好きに使って実際に現場で活動する連中に限って、現地の人々になんら寄与しないハコモノをバンバン立てて私腹を肥やす人間のクズが多い。復興という言葉の落とし穴はそこだ。
で、復旧と復興なんだけど、どちらが良いとは言えない。双方の良い点を取り入れて最適な感じを目指したい訳で。それが理想。現地の人々の事を考えない事を書くけど、災害に見舞われた場所ってのは、酷い荒れ地になってしまうんだけど、それってのは逆にチャンスなんだよね。一度人々が住みついてしまうと、それがどんなに良く無い街だったとしても、成田空港問題とかに見られる様に変えられないんですよ。だけどそれが壊れてしまうと可能になる。元来、人々は街を作っては破壊して、作っては破壊して、新しい街を作って発展して来た訳ですよ。過去には戦争というのがその役割を果たしていたと思う。だけど現代では戦争は無い訳で( そうであって欲しいという願いも込められているけど… )。そうなると天災で荒れ地になってしまった場所というのは、またとないチャンスって事になる訳ですよ。被災した人々には申し訳無いけど…。だからこのチャンスをダメにして欲しくは無いと思う。再び津波に脆弱な街に回帰するのであれば、ある意味で何の進歩も無い…。いやいや、それで良いんだ、そうやって何度でも津波に破壊されて殺されて、何度でも立ち上がるんだよ、それがこの街の人々の生き様なのさ、って言う人も居るのかも知れないけど…。俺はそれは良く無いんじゃないかなあって思うんだけど。街だけの問題じゃないしね。日本全体で取り掛かってる問題だからさ。だから何と言うか、天災というのは滅多に無いんだけども、それでも今後を想定して、天災に見舞われた街が逆にそれをバネにしてより発展して行く、そういった復旧復興の見本になって欲しいというかさ…。今後に人々が天災によって破壊された街を見た時に「この街はもっと良い街になるんだ!」って考えが頭に思い浮かぶ、それが人々の常識になってしまうような、そういうのを目指して欲しいというか。そんな感じです。