ニコニコアプリで

魔法少女まどか☆マギカという作品を知った。原作アニメは知らなかった。Web で探して原作アニメを見てみた。1 話から 12 話の全話を。原作アニメを見る前に、ニコニコアプリでほむらが時間遡行者って事は知ってしまっていたし、Wikipedia でマミが凄惨な死に方をするとか、まどかが世界を救うとか、そういう概要は知ってしまっていたんだけど。
インパクトがあるアニメだったねえ…。世界的に割と人気が出てるってのも頷ける出来だった。しかしあのラストは気に入らないなあ。個人の自己犠牲で世界が救われるってパターンね…。嫌いだなあそういうの…。自己犠牲って言い切ってはならないんだけどさ、まどかは概念として生き続けているんであって、本人は幸せである可能性もあるんだから。いやさあ、でもさあ…、あんな良い子がね、あんな人間として素晴らしく素敵な、人間として生を全うすべき、正にその権利を誰もが疑わない様な、あんな良い子が、あんな可愛らしい輝かしい未来があって然るべきな、あんな少女がだ、どうして人間を止めて、全人類、全宇宙の為の犠牲にならなきゃならんのよ…。ああいう子はな、ああいう子こそが、人間として生を全うすべきなんだよ、そうだろう…。ってこういう心のもやもやを視聴者に持たせる時点で、製作者側は大成功な訳だけどさあ…。いやしかしなあ…。分かる、分かるよ…。作品の完成度を高める為には、良い作品にする為には、変にハッピーエンドにすべきじゃないって事ぐらいは…。あのラストは…、あのバッドエンドでは無いけど、ハッピーエンドでも無い、あのラストは、あの作品の、作品としてのあるべきラストだったんだと思うよ、そう考えると納得が行くよ。でも嫌いだ…。
他にも色々とあるんだけどさ。まどか以外にも色々と。杏子もさやかもマミも一般的なレベルで考えると波瀾の人生なんだけど、まどかに比べると霞んで見えてしまうのは仕方が無い…。この辺ももうちょっと深く言及しても良い気がするんだけど、余り書く気もしないなあ…。1 話が開始した時点ではまどかのみが労苦と無関係な感じなんだよな、最終的にはまどかがそれを途方も無く強大に覆す感じなんだけど…。
まどかとセットで論じるべきなのが何よりもほむらですよね。ほむらの労苦は半端じゃ無い筈なんですよ。劇中では少ししか書かれていないけど、書かれていない労苦がとんでも無い量の筈なんですね。そのほむらの労苦に対する最後の報いが、あのまどかの、全世界のほむらを見渡した後の、ほむらへの感謝の言葉と抱擁、そしてまどかが再構成した新しい世界、まどかとの大切な思い出、まどかの赤いリボン、まどかの力…。だけどほむらが本当に欲しかったのは、そんな自分の労苦を認めて貰う事では無くて、まどかとの幸せな未来だった筈ですよ…。女の子が魔女化しない比較的平和な世界、そしていつでもどこでもまどかは世界と共にある…、そんなんじゃなくて、側で身近に感じられるまどか、一緒に幸せに暮らせる未来、そういうのが欲しかった筈だ…。もう書いてて涙が出て来る、年を取ったんだなあって思う…。
実に嫌だよねえ…。こういう物語ってのはねえ、頻繁にヒットするもんじゃないよ。だってこんなのばっかり見てたらイライラして仕様が無いからな…。世に出すタイミングも割と良かったんだろうな。震災の後に放送がスタートしてたら、こんなにヒットしなかったかも知れないよ。2011 年 1 月に放送を開始したってのは、正に神懸かり的なタイミングだったんだと思う。