昨日の記事の続きだけど、現行ロケット打ち上げ運用 10 年みたいな人は

新しいロケット研究開発に向いてるとは限らない。確かにロケットに関する仕事のプロではあるけども。既に出来上がってるものを運用し続ける仕事と新しいものを作る仕事は違うから。ロケット打ち上げ運用ってのは衛星を打ち上げたり ISS に物資や人を届けたりするのが主な目的じゃないですか。とにかく失敗せずに期日までに打ち上げて荷物さえ綺麗に軌道投入したりできれば OK なんですよ。そこまでの道筋がどれだけ汚くても。そこが最も肝心なところで。それはロケット打ち上げ以外にも言えることであって、オンラインゲームの定期的なバージョンアップとかでも、とにかく或る程度の期日内に大きなバグなく追加機能をリリースできれば OK なんですよ。その際にどれだけ汚いソースを書いたとしても構わない。リリースさせれば成功なわけです。そういう仕事なんですよ。運用系の仕事って。

汚いソースを書けば将来の運用保守に禍根を残すってことも考えて綺麗なコードを書きたいって人もいるだろうけど、でもリリース優先が正義だったりする。それが運用ってやつだから。現場にもよるだろうけどさ。そこに人がひっきりなしに入れ替わったりするような条件が加わると、将来の運用保守とか全く考えない無責任な人達ばかりになったり、確率的に異常に能力が無い人が入って来たりして、保守性は更に悪化するでしょう。またお役所仕事的に利用者の厳しい目にさらされないような属性があれば更に痛い。そうして利用者目線がなくなってしまう。経営者目線なんてのも当然なく、段々と視野が狭くなり取り敢えず追加機能リリースすれば良いんだって考えになって行ってしまう。良く分からないが経歴が長い程に視野が狭くなるタイプがいる。

でまあそういう運用保守における人選ってのは、やっぱりそういう人間を選ぶわけだよ。一度一度のリリースをとにかく成功させようとする人。その場凌ぎだろうがなんだろうが成功させる人。後でどれだけ困ることになろうが、目の前だけを乗り切ろうとする人。できるだけ今の苦労を将来に持ち越す人。新しいことが嫌いで今ある手順で最大限に楽をしてやり過ごす。

そういう人って言うのは、性格的に新ロケットの研究開発に向かないわけよ。新ロケットの研究開発は運用中のものより更に高性能なものを作り出すわけじゃないですか。低コストで運用できるような。それって「できるだけ今の苦労を将来に持ち越す人」に物凄く不向きなんだわ。今の苦労を最大化して将来の苦労を低くするのが研究開発なんだよ。だから全く合ってないでしょ。なので俺は不向きである確率は十分に高いと考えますね。

それでも運用もできるし、研究開発も一流って人もいるんでしょうけども。視野が広くて色々なことに柔軟に対応できる人間ならどっちもできますよ。運用の場合の肝はリリースを成功させることだけど、研究開発の肝は将来の運用を今より良くすること、そういったことをちゃんと切り替えて動けるような人。そういう人はもっと上のステージまで上がれそうですけど。社長とかさ。