徴税と増刷

徴税と増刷…この 2 つが意味しているのは本質的なところでは殆ど同じだと思ってる。ずっと昔から思ってた。皆もそうでしょ。マスゴミが必死に違う違うって言ってるけど。俺も何度か似た事を書いた気がするけど。改めて書いてみようかと思った。
国民が 10 人いて皆が 10 円ずつ持っています。国庫に 100 円あります。この状態からスタートするとする。翌年に一人一人から 5 円ずつ徴税する。そして一人一人に 5 円ずつ配りました。そうすると前年と同じ状況になる。これが徴税と再分配。
次に増刷の場合を書くよ。初期の状態は徴税の場合と同じな。そして翌年に 200 円を増刷する。そして国民一人一人に 10 円ずつ配って、国庫に 100 円を入れる。そうすると国民一人一人が 20 円ずつ持ってて国庫に 200 円がある状態になる。
この 2 つのケースだけど国民一人一人が持っている金額や国庫に入ってる金額は違うけど、比率的には同じなんだよ。比率的には同じということは経済的に実質的には同じなんですよ。徴税のケースでは林檎の価格が 1 円であれば翌年も 1 円になるけど、増刷の場合はインフレが起こって翌年は 2 円になる。だから同じなんです。理論上は…。金本位制じゃないから。
じゃあ次に金を持っている人が偏ってる場合を考えるよ。国民が 10 人いて 1 人は 100 円を持っているけど、他の 9 人は 10 円しか持ってなくて、国庫に 100 円ある場合。全体では 290 円な。この時に 100 円を持っている人から 50 円を徴税して、他の 9 人からは 1 円ずつ徴税したとする。そうすると税収は 59 円だ。これを 10 人に均等に再分配する。50 円を徴税した人に 5 円を返して、他の 9 人には 6 円ずつ返す。そうすると 55 円を持っている人が 1 人と 15 円を持っている人が 9 人になる。そして国庫は 100 円だ。これが所得の再分配って奴だ。そうすると比率は国庫 : 金持ち : 一般人で 100 : 55 : 15。
次に増刷の場合な。234 円を増刷する。そして国庫に 81 円を入れる。そして金持ち以外の一般人に 17 円ずつ配る。そうすると比率は国庫 : 金持ち : 一般人で 181 : 100 : 27。ちょっと雑な計算なのでアレだけど徴税の場合の比率に近い数字になってる筈なんだよ。
要は本質的なところでは同じなんです。重要なのは増刷することじゃないんです。刷った金をどう使うか、それが物凄く重要なんですよ。細かいところを言うと違うんだけどさ。増刷の場合は物の値段が変わってしまうから、色々と値札とか看板とか法律とかシステムとか直さないといけないので、そういった社会全体へのコスト負担が発生することにはなる。紙幣の増刷コストもあるし。
だから本来は金を持っているところから徴税するのが本筋なんだよ。だけどそれをさせない強欲な連中が多いせいで、増刷という手段を取らざるを得ないってこと。ただし増刷してそれを金持ち連中に注入したら、より酷いことになるので、そういったことはさせないように注意したいですね、ってことです。
これは物凄く簡略化したモデルなんだけどね。実際には為替とか外国とか色々な要因が絡むんだけどさ。