為替とか

結局はコシミズさんの言ってた通りになってしまっているのかも知れない、と思ったりしている。コシミズさんは前から円安政策は良くないと言っていたからなあ。円安で輸出が増えて景気回復の効果があるとしても、それを実行する人間が良くないから良くないと言っていた。だからコシミズさんは輸出が伸びない事を以前から予見していた訳ではない。コシミズさんが最近になって「輸出が伸びてねーじゃんw」ってアベノミクスを叩いてるのは結果論だ。それでまあコシミズさんが言う「実行する人間が良くないから良くない」というのには俺も同意はしていた。だけど俺は別に政策に直接的な影響力を与える存在でもない単なる労働者なので、仕事を増やせ給料を増やせって立場から円安を主張していた。正確に言えば、公共事業をして、国民に多く仕事を与えて、その流れから国民が豊かになり、御金を使うようになり、インフレになり、輸入が増えて、結果として円安になる、そして輸出が増える、という流れを主張していた。俺みたいな立場の奴が「誰がやるから信用出来ないから今はインフレ円安政策は支持しない」みたいな事を言ってるとおかしいしさ…。でも俺は結果的に翻弄されて利用されたんかなあ…って思ったりもしている。
それに 2007 年には可也の円安だったから大丈夫とも思っていた。しかしこれは俺の無知による物だった。購買力平価だとかドル以外の主要な通貨との全ての為替を考えれば、実は 2007 年の円安というのはドルが国際的に強い中での単なる対ドルの円安だったのに対し、現状はドルが国際的に下落している中で更に対ドル円安になっている、という状況である事を知った。つまり今の円はかなり安いという事。もちろん購買力平価や国際的に通貨を考える、という考え方は万能ではないけども。例えば取り引きが殆ど無い所との通貨の差はあまり意味を持たないし。でも今の経済は世界的に繋がっているんだけどね…。これからブロック化して行く可能性はあるけど。或いは中国のバブル崩壊アメリカの通貨の崩壊で世界経済に大きな変化が起こるかも。BRICs 通貨の件もあるしな。俺には先は読めんけども…。
それとかエネルギーの高騰も考えて無かったんだよな…。震災の影響で原発が停止した、という状況の変化を考えずに、一本槍で円安を主張してしまっていた。状況の変化を考えずというのは、エネルギーの高騰の話だけじゃなくて既に国際的に円が安くなっていた、という件に就いても言える事なんだけど。世界的な不況や新興国の勃興も。日本企業の海外進出も…。そんな細かい所まで考える必要は無いだろ、って素人みたいな甘えはあったとは思う。プログラマという本業をしていて、空いた時間を使って単なる労働者が人知れぬブログで主張しているだけなんだから…ってな…。
結果としてアベノミクスは消費税増税によって日本経済に打撃を与えてしまった。因みに俺は消費税の増税を支持していなかった。それに円安政策のやり方も機関投資家に金を流す方向で行われて、それが米ドルを買い支える様な形で実現されてしまい、国民の生活レベルの向上に寄与しない方法で行われている。それでも円安は輸出を増やすと信じていたが、思っていたより日本企業の海外進出は進んでしまっており、J カーブ効果は何時に出るんだろうか…、という心境に陥っている。
それでも日本の生命線である技術の流出を防ぐベクトルが働くと信じてはいるけど、どうにも日本企業はグローバルで勝ち抜く為に海外に進出を厭わないらしい。いっそ中国のバブル崩壊を機にイスラム国やチベットウイグル北朝鮮が中国で暴れてくれたら、日本企業が日本に戻って来てくれるんじゃないかとか、そういう黒い考えも浮かんでしまう様な心境だ…。