社会の構成員である大人

会社に所属している。プロジェクトに所属している。家族を養っている(俺は未婚ですが)。地域の住民であり国民でもある。色々なものを構成しています。なので歯車って言葉も使われます。社会という機械を動かす歯車であると。歯車が狂うと周囲に悪影響が及びます。

プロジェクトメンバの話が分かりやすいですよね。例えば先輩と新人がいて先輩が 10 秒で分かることを新人が 8 時間考えて分からなかったとします。それを先輩が咎めるわけですよ、俺に聞け、なぜ俺を利用しなかったんだと。今回は俺と君の 10 秒 + 君の 8 時間というコストを掛けて成果を出したけど、最初から俺に聞いてれば俺と君の 10 秒だけのコストで済んだ。コストが最小になるように動け、と。これは社会人の常識とも言える話なんですが。ただし単純な個人レベルの問題解決能力を鍛える教育を OJT でしてるとか、裁量を与えて自立とか自律とか重視してる現場であるとか、他にも教育方針はあるんですが今回の記事ではそういった話は無視します。

それと新人と先輩という関係だけでなく、プロジェクトメンバはプロジェクトの成功っていう共通の目標に向かって仕事をしているわけなので、各メンバが個人的に個別最適しても意味は薄くて、大切なのは全体最適なわけですよ。だから各メンバはお互いにお互いの労働コストが最小化するように計算して協力し合う必要があります。これもお互いにお互いを利用し合うんですよ。労働法制とか、そういった話は今回の記事では無視します。自分という個を殺せ。全体のコストで考えろ。お前の失敗はプロジェクトの失敗であり、会社の失敗であり、家族を不幸にする。背負ってるものを意識しろ。ってことです。

営業活動だってそうですよね。これは他人を利用することですよ。他人のお金を貰うわけですし。こちらは製品を与えるんですけど。色々なところに電話を掛けて。飛び込み営業したりして。買ってくださいってお願いするわけです。

そういう感じで、ビジネスパーソンはお互いにギブアンドテイクで利用し合って当然って考えがベースにあるものだと俺は理解しています。それがビジネスですよね。当たり前だと思うんだけど。

そもそも人を利用するのって「とことん楽したい奴」って思うのかもしれないけど、逆に人を利用するのって苦痛が伴うんですよ。営業活動なんて正にそうですよね。一日に何回も電話してるし、めちゃくちゃ移動も大変だったりで。テレワーク営業だと幾分か楽みたいですけど。こういった事実を聞いても人を利用することが楽だと思いますかって感じでさ。楽じゃないんですよ。他人を利用するのって大変なんです。だから「俺は他人を利用しない」なんて言い方は、甘ったれの子供の言い分に見えます。人と関わるのが嫌なだけで、人と関わらない自分を正当化したいだけだろうって。子供の内はそれでもいいと思いますが。

だから少年主人公の幼稚さをちゃんと描いてるなって感心したってことです。