前に感想を書いたのと同じ作品について、異常な幸運があって、それに対するリアリティがないってことを書いたけど。読み進めるとリアリティはないんですが、どうしてもそれを描写するために必要な幸運だったんだって展開がありました。これはまあリアリティがなかったということをチャラにすることはできませんが、ありだとは思います。その描きたかったことがどれだけのものかってところも十分に吟味することになると思いますが。この作品については微妙なラインかなと思います。
読み手は作品に非日常を求めているものの、異常な幸運が起きる話はあまりに現実と隔絶していてギャグ路線などでないと受け入れがたいところがあるが、ただしその異常な幸運の結果として描かれるものに相応の価値が認められれば、そういった話なのね、これが描きたかったのね、と受け入れることも可能ってことかなあ。
