親に出てけって言われて一人暮らしをする事になった。家に居られる猶予は来年までだ。こりゃ忙しくなるな…。金貸せって言われて断ったら出てけって話になったよ。訳が分からない。そりゃ毎月パチンコ行ってりゃなあ…。「会社とか親族に借りに行ったら俺の信用が云々」…って言われても、それが自身の実力その物なんだから、それで信用を失うんだったら適切だと俺は思った。息子として助けたいのは山々だけど手を差し伸べても何も本人の為にならない。だったら突き放すだけでしょ。俺は別に間違った事はしていない。そう確信している。妹には金を貸せって言わないんだよな。言えないのかも知れないけど…。それもまた甘えであってさ。昔から父親は俺には言いたい放題の事を言って来た。だけど家族の他の人には割と遠慮するんだよ。それって甘えじゃないですか。そういうのは突き放さないとなあ…。…まあ芝居だったのかも知れないけど。追い出すって結論が先にあって、金を貸せって話は創り出した物の可能性もある。俺は今まで基本的に金を貸せって要求は拒み続けて来たからさ。俺に金を貸せって言えば俺が断るのは分かってた筈だから。俺の疑い過ぎなのかも知れんけどさ…。昔から妙に芝居臭い所があるんだよな…。親だから子供の前で一芝居打つのは普通なのかも知れないけど。もう俺も良い歳なんだけどさ…。そもそも俺は親の離婚すら怪しいと思ってた。親は色々と男女関係のもつれの結果で離婚したんだけどさ。実は離婚って結末が先に用意されていて、窓ガラスを割ったり母親ともみ合いになったり、そういった過程は全て離婚に至るまでの用意周到な芝居だったのかなって…何度か思った事があるんだよ。中高生の頃から疑い深かったからなあ…。親は俺が高校生の時に離婚したんだけどね。
