経常収支をグラフで見ると 2007 年は 2006 年より顕著に黒字が増加している

これって短期金利を 0.25 % から 0.5 % に増やしてキャリーから利子を取ったからじゃないでしょうか。前年より 5 兆円ぐらい増えてるよな。半分ぐらいは貿易収支の増分っぽいんだけど。そうなると利子による増分は 2.5 兆円ぐらいか。当時はドル円 120 円ぐらいで今は 160 円ぐらいだから今の為替で考えるために 4/3 倍すると 3.33 兆円ぐらいになるのかなあ。当時のキャリーの規模と今のキャリーの規模が同じなのかは不明だけど。キャリーって言葉の定義も不明ではありますが。FX みたいなのも短期金融市場から金を借りてるのであれば、そこに課税できるかもしれないし。要は短期金融市場で調達した金を海外運用する全てに課税できればベストなんじゃないか。

単純に短期金利を上げたとしてもキャリーに課税するのと同じ様に 0.25 % の利子を取れるんだけど、そうしてしまうと国債金利負担が増えて財政が悪化してしまうし、国内企業や国内家計の金利負担が増えてしまい、国内経済が失速してしまう。それに日銀はインフレ 2 % が定着するまで金利は上げたくないって表向きは言ってるので、急に短期金利は上げにくいんじゃないですか。ですが短期金利を上げたとしても、金融機関が短期金融市場で得た儲けに課税した上で家計や企業や国債に利子補給すれば良いわけですよ。もしくは短期金利を上げずに短期金融市場で調達して海外運用する資金に直接的に課税する。それにより 2007 年以上の収入が国庫に入るし、短期金利(または相当する課税)が上がれば少しは円高になるでしょうし、国内経済には直接的な影響がないし(海外経済の失速の影響は受けるはず)、万々歳な気がしますけど素人の浅知恵なので穴が沢山あるんでしょうか。この辺りは自民党税制調査会財務省国税庁や日銀がどう動くか次第なんだよなあ。

そんな風に基調的に今より円高にする方策はどうにもあるっぽいんだけど、でも日銀も財務省自民党税制調査会もすぐにはやらないって話らしい。なぜかって言うと国民が物価が上がることを当たり前と考えること、そして給与上昇や物価上昇が定着しインフレになること、そういう風になるまでは円高にしないってことらしいです。って感じで、7 月末は短期金利が上がることはないんだろうなあって考えています。

俺は円買い介入に注目してる。円買い介入って実弾数に制限があるから使えば使うだけ追い詰められるってイメージですけど、でも抜本策が実はあるのであれば円買い介入は単なるドル売りとも言えるわけです。円高の時にドルを買って円安の時にドルを売れば国は儲かります。つまりいずれ今よりは基調的に円高になるんだろうし、その主導権も持っているので、それまでは寧ろ円買い介入はバンバンやりたい、つまり円安阻止を口実にしながら儲けを出すためにドル売りをやりたいってのが本音なのではないかって俺は今では考えたりもしています。

でもトランプさんが当選すると、米ドルのインフレ率も長期金利も今より上がる可能性もありそうですけど、どうなんでしょう。長期金利が上がるって言っても実質長期金利は変わらない気もするんですけど。それに米国の長期金利が上がれば、それだけ日本は短期金利相当のものを上げる裾野が広がるので、逆に日本にとってもありがたいとも言えるんですけど(ただし国が動かないと逆に庶民には厳しいかも)。

キャリーの記事が読みたければ「ブルームバーグ 円キャリー 20兆ドル - Google 検索」でグーグル検索すれば出て来るよ。20 兆ドルは約 3,200 兆円だ。

米ドルの基軸通貨体制の崩壊って記事を初めて俺が目にしたのは週刊アカシックレコードで 2001 年ぐらいだったかなあ。あれから 20 年以上経過していますが未だに米ドルは健在です。しかし最近では新興国米国債を売ってる疑惑がありますし、トランプさんは財政出動してインフレ路線で動く可能性がそこそこあります。そうなると徐々に徐々にではありますが、最近になって真実味を帯びてきているよなってひしひしと感じてはいます。米ドルが世界の基軸通貨でいられるのは世界最強の軍事力と世界最大の経済規模が背景である認識ですが、それと同時にグローバリズムで拝金主義だからってのもある認識です。拝金主義って言うと侮蔑的にとらえられるかもですが、お金を崇拝するってことはお金に対してとても真摯ってことでもあります。お金に対して真摯ってことは、極端なインフレなどで通貨価値を棄損することを嫌うってことでもあります。そういった気質が世界から信用を得るのに一役買っていた認識です。だからこそ国際決済を任されていた。これは他の国にはできないことだった。他の国ことさら新興国グローバリズムではなくナショナリズム優先だから。そういう国はお金に対して真摯ではなく自国を優先します、それは道義的に間違っていない気もしますが。だけどその道義的に間違っていないからこそ、そういった国は国際決済について信用を得ることができない。そんな自国民に対して苛烈な対応ができるほど強大でお金に真摯でいられる国はアメリカしか存在しない。だから俺は BRICs の通貨バスケットなどそう簡単に上手く行くとも思えなくて。なぜなら各国のナショナリズムが強すぎるから。アメリカみたいな強い米ドルで各国から輸入して世界経済を回すというグローバリズムが弱すぎる。その程度の国々が通貨バスケットやったところでなあ、、って気もしてしまうわけです。ってことで純金が買われているとも言われています。ですが直近 2 か月ぐらいは中国の中央銀行は純金を買っていないという話もある。